フリーランスになったものの、向いてないかも・・
昨今の人手不足によって、ITエンジニアとして会社員からフリーランスに転向する人、または転向を考えている人は多いのではないでしょうか。
その一方で、フリーランスITエンジニアとしての働き方が合わずに再度会社員に戻ったり、もしくは戻りたいと思っている人もいます。
そもそも、フリーランスから会社員に戻ることは可能なのでしょうか。
このあたりがわからずに不安を感じて今後のキャリア形成を悩んでいる方も少なくありません。
この記事ではITエンジニアがフリーランスから会社員に戻れるのかやどう扱われるのかについて、僕自身の経験も交えながら解説していきます。
ぜひキャリア形成を考える上での参考にしてみてください。
ITエンジニアがフリーランスで仕事を取るには、
増加するITエンジニアのフリーランス志向
レバテックが発表した「2023年12月のITエンジニア正社員転職/フリーランス市場動向」によると、フリーランス希望者が大幅に増えていることがわかります。
2023年12月のフリーランス案件の発生数は前年同月比の153%、案件希望者数は前年同月比の144%でそれぞれ増加傾向でした。
また、コロナ禍であった2019年頃と比較するとフリーランスの案件希望者数は4年で3.8倍にも成長しています。
このことからも案件発生数と案件希望者数が増加傾向にあり、フリーランスという働き方がITエンジニア界隈でも浸透していることが見て取れます。
この感じだと、フリーランスという働き方は今後もどんどん増えていきそうな勢いだね。
フリーランスのITエンジニアが会社員に戻る理由
いざ会社員からフリーランスに転向したものの、いろんな問題が起こって自分には合わないと感じるケースは少なくありません。
自分には合わないなと感じるおもな理由をまとめました。
- 安定した売上を上げる大変さ
- バックオフィスの煩雑さ
- 案件のサイズ小さくなりがち
- 健康リスク
会社員と違ってフリーランスは毎月決まった給与がもらえる訳ではありませんので、自分で営業を行って案件を取っていく必要があります。
また、来月の売り上げすらどうなるかわからない状況で、安定して売上を上げていくプレッシャーを日々背負う大変さは想像以上です。
それに加えてフリーランスの場合、今まで会社がやってくれていた税金の納付や社会保険、そのほかの手続きを自分で行わなければいけません。
売上の話でいうとフリーランスの場合、法人との業務委託契約なることが多いので、案件サイズに限界があり思っていたよりも稼げないという声もよく聞きます。
何より、孤軍奮闘のフリーランスは怪我や病気をした時のダメージはとても大きいです。
たしかに自分が倒れた時に替えがきかないリスクがあるし、保証も会社員のようにはいかないから大きな問題だよな。
このような背景からITエンジニアがフリーランスからいざ会社員に戻ろうとする場合、実際のところはどうなっているのでしょうか。
次からはその詳細について解説していきます。
ITエンジニアがフリーランスになって稼げるのか、フリーランスになることのメリット・デメリットについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ITエンジニアがフリーランスから会社員に戻ることは可能?
会社員からフリーランスに転向する時、多くの人は『独立してもっと稼ごう!』という意気込みでフリーランスになっているはずです。
しかし、実際にフリーランスとして働いている中で『フリーランスとしての働き方が合わない、会社員としての働き方が合っていた』などと思う人もいるでしょう。
そのような場合、合わない働き方を続けるよりももう一度会社員に戻るという選択肢が出てきます。
しかし、一度会社員をやめてフリーランスになってからまた会社員に戻ることが本当にできるのでしょうか。
一度フリーランスになった人間を採用側がどう判断(評価)するのかが気になるところだけど・・どうだろう?
職務経歴が充実していれば戻ることはできる!
結論を先にいうと、職務経歴が充実していれば問題なく戻ることは可能です。
その理由のおもなものをまとめると
- IT業界界隈の慢性的な人手不足
- ほかの会社での経験は評価されやすい
- 経営者としても考え方がプラスに見られる
などの理由があります。
とはいうものの、フリーランスだった人が会社員戻ることに対して懐疑的な採用担当者がいるのも事実です。
また会社に不安を持ってすぐに辞めるんじゃないか・・なんて思われることもあるだろうな。
そのため、自分の経歴やスキルをアピールできるように事前にしっかり準備しましょう。
その際は、
また、
未経験や経歴がそれほどない場合どうすればいい?
その一方で、裏を返すと未経験や実務経歴が浅いうちにフリーランスになってしまった場合、職務経歴が乏しい状態なので転職活動は厳しい戦いとなるでしょう。
どうしよう・・職務経歴といえるものがそんなにないよ。
大丈夫です。仕事で実務を積めなくても技術スキルを積んでアピールすることはできますよ。
自力でスキルアップをしてアピールするための方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
そのため、転職の際にアピールできるキャリアや技術スキルが積めるまでしばらくフリーランスで頑張ってみるもの考え方のひとつでしょう。
フリーランスで働きつつある程度のキャリアを積んでから転職する。考えのひとつとして持っておくのはアリかな。
ITエンジニアがフリーランスになった場合、自分ひとりで仕事を取っていくのは大変です。
そんな時は
ITエンジニアだと、職務経歴がある程度充実していればフリーランスから会社員に戻れることがわかりました。
その意味ではキャリ形成の選択肢がひとつ増えたかと思うのですが、次ではフリーランスから会社員に戻ることによるメリットやデメリットについて解説します。
ITエンジニアがフリーランスから会社員に戻るメリット・デメリット
フリーランスから会社員に戻ることについては、メリットとデメリットの双方が存在します。
会社員に戻ると毎月一定額の給与が支払われるため収入が安定しますし、社会保険料も会社との折半となるので負担が軽くなります。
また、雇用契約として役割やポジションが明確化されているので、フリーランスの業務委託よりも働きやすいのも大きなポイントです。
一方、会社員に戻るとフリーランスのように働いた分だけ青天井に給与が増えるということはありません。
それに、フリーランスのITエンジニアだと一般的には案件を業務委託(準委任契約)で進めることになるため、業務上は上司がいない状態となります。
しかし、会社員として雇用契約のもとで仕事をする場合は明確な上司がいて、業務的にも雑用やら余計な仕事を振られることも多いです。
そして何より、会社に戻るとどうしても関係各所とトラブルなくスムーズに仕事をするために組織独特のしがらみも避けては通れません。
自分の意見を通すために事前に各所への根回しが必要になったり、チームで円滑に仕事をするために調整したりするようなこともあるよな。
このようにITエンジニアがフリーランスから会社員に戻る場合はメリットとデメリットの双方が発生しますが、次では僕の場合はどうだったのかについてお話しします。
僕がフリーランスから会社員に戻った時のはなし
僕がフリーランスから会社員に戻ったのは30代中盤の頃でしたが、どのような経緯でフリーランスになり、またその後にまた会社員に戻ったのかお伝えします。
ウリの実体験① 〜会社員からフリーランスへ〜
一般的にはある程度の技術力のある人が、より稼ぐためにフリーランスに転向するイメージがありますが、僕はとりわけ秀でた技術力があったわけではありませんでした。
ある時、事業会社で上司と合わず転職を決意して某広告代理店に転職して、広告運用に関するシステム開発に関わることになりました。
しかしそこの上司が超絶パワハラで、入社してから2か月ほどで心身ともに疲れ果ててしまったのです。
『これ以上出社したら精神的に病んでしまう』と思い、壊れる一歩手前でなんとか退職しました。
その後転職活動をしたものの、短期離職のため書類選考すらまともに通らない日が続きました。
できれば会社員を続けたかったのですが、まともに転職することが難しいと悟ってフリーランスとしての選択肢を模索することを決意します。
技術力自体は大してなかったのですが、自身の専門分野が比較的需要が高く、また人材が少なかったためなんとか案件をもらうことができましたね。
なぜか、、外資系企業の書類選考だけは問題なく通りました。
おおっ!専門領域の需要や人材の少なさも功を奏したんだな。
ウリの実体験② 〜フリーランスから会社員へ〜
以前から参加していた出身大学のOB同士での集まりの中で、たまたま某会社の役員だった先輩に声をかけられました。
『またとない会社員に戻れるチャンスだ!』と思って、再度会社員に戻ることを決めました。
ちなみに声をかけてもらえた理由としては
- ちょうど先輩が必要としていた人材(データ活用領域)とマッチしていた
- ITエンジニアでMBAを取得しており、技術だけでなくビジネス領域の知識も持っていると認識された
といった理由からです。
専用領域の需要や人材の少なさ、そしてMBAを取得していたことが日の目を見た瞬間でしたね。
ちなみに、僕が社会人大学院でMBAを取得した経緯について知りたい方はこちたをご覧ください。
僕の場合は計画的ではなかったのですが、フリーランスになったことで仕事を取る大変さや経営者としての目線も培われたのでよかったなと思っています。
会社員とフリーランスの違いについて
僕自身は何年もフリーランスをしていたわけではないので、フリーランスについては半年ちょっとという短い経験しかありません。
ただ、その経験の中での印象として『技術力があればかなり自由度が高く働きやすいな』と正直感じました。
しかし、クライアントが求める技術力がないと、フリーランスの場合扱いはかなり悪くなります。
特に雇用契約が結ばれておらず基本的には3か月ごとの契約になるため、いつ切られるかわからない状態です。
10年くらい前までは、『フリーランスはある程度組織で働いた人が40代くらいで独立する』ケースが多く、技術力も結構高い人の割合が多かった印象でした。
当時を思い出すと、その一方でコミュニケーションに難ありの人は今より多かったかも・・
最近ではいろいろなインフルエンサーの影響も含め、20代でフリーランスになる人も少なくありません。
もちろん優秀な人もいるとは思いますが、十分な経験を積めてない人がフリーランスのエンジニアになってしまっているケースも見受けられます。
未経験や経験が少ない状態でいきなりフリーランスになると、はじめのうちは条件の良い案件の獲得は難しくなりますね。
ITエンジニアがフリーランスで仕事を取っていくには、
フリーランスの印象はさまざま
世の中のフリーランスのITエンジニアに対しての印象は人によって結構違ってくる、というのが僕の感想です。
たとえば
- 会社員を辞めて独立できるほどの自信、能力があるくらい優秀な人
- 会社員として働ける場所がなくなって流れ着いた半端者
など、同じフリーランスからの会社員に戻った状況でも人材の質としては両極端なケースはしばしばあります。
実際に事業会社などで働いている人は、一緒に働いたことのあるフリーランスエンジニアについてどのような印象を持っているのでしょうか。
おそらく『優秀な人もいるが、微妙な人の方が多かった』くらいの感覚の人の方が多いかと思います。
そのため、ITエンジニアがフリーランスから会社員に戻る時には、会社の採用担当などがフリーランスに対してのどのゆな印象を持っているのか次第なところはあります。
とはいえ、あまりに人材不足な状態ではあるため、上記を承知の上でもフリーランスのITエンジニアを利用するケースはそこまで減らないでしょう。
とりあえず、フリーランスってだけでマイナスに見られるケースはそんなにないと思ってもいいかな?
フリーランスから会社員への転職活動
では、フリーランスのITエンジニアから会社員への転職活動はどのようなものなのでしょうか。
基本的には、一般的な転職活動と変わらないが答えになります。
具体的な方法としては
- フリーランスのエージェントに登録する
- SNS上に仕事を探している旨、投稿する
などが挙げられます。
ITエンジニアがフリーランスで仕事を取るために、
案件の獲得など、Xを活用することによるメリットについて詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
ちなみに、スタートアップ企業はフリーランスから会社員に戻っても特に差し支えがない印象です。
JTC(伝統的な日本式)の会社は警戒される傾向あり、僕はこのケースだったのでした。
当時はCxOの推薦があったので比較的スムーズに入社ができましたが、なければ難しかったでしょう。
フリーランスに限らず、常にSNSやブログで技術的な投稿をしていると自然とつながりができ、転職はもちろん、会社員に戻る時にもかなり有効なのでおすすめです。
ITエンジニアが技術ブログを書くメリットについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
発信してアウトプットすることはITエンジニアにとってメリットが多そうなので、僕もXや技術ブログをはじめてみようかな。
働けるうちは会社員として働いておいた方が良い
収入面だけ考えれば、会社員として働くよりフリーランスや起業をした方が圧倒的に稼げる可能性はあります。
しかし、僕の考えとしては会社員として働く選択肢があるうちはなるべく会社員(できれば事業会社)で働いておくことをおすすめします。
その理由としては下記のようなものです。
- チームメンバとの距離感
- 最新の情報が入ってくる
- 仕事へのモチベーション
フリーランス(業務委託)のメンバーとプロパー(正社員)の間では、どうしてもコミュニケーションにおいて壁ができてしまうことが少なくありません。
また、組織にいた方が業界のトレンドを押さえやすいですし、新しいツールやサービスの情報など組織内にいた方が入ってくる情報量が違います。
ほかにも、シンプルにフリーランスと比べていろいろな人と会う機会が多いです。
同じチームや他部署、またいろいろな会社のイベントなどで社内・社外の人とコミュニケーションを自然に取る機会が会社員の方が圧倒的に増えます。
そして、組織としてまたチームとして目指すビジョンがあるため、良い組織であれば日々の仕事に対してのモチベーションが高いです。
フリーランスだと基本的には1案件に対して3か月ごとの更新でやるべきことは決まっていますが、その先のビジョンが明確になりづらいです。
個人的には30代くらいまでは会社員として働いていた方が技術面などはもちろん、いろいろな人とのつながりができて良いのではないでしょうか。
もちろん世の中に発信したいサービス・プロダクトなどがあるのであれば、一秒でも早く独立・起業した方が良いですよ。
まとめ|職務経歴が充実していれば会社員に戻れる
これまで、ITエンジニアがフリーランスから会社員に戻ることができるかについて、僕の経験も踏まえて解説してきました。
職務経歴が充実していれば、フリーランスのITエンジニアが会社員に戻ることができます。
職務経歴がさほどない場合や未経験のフリーランスの場合は、転職の際にアピールできるキャリアや技術スキルが積めるまでしばらくフリーランスで頑張ってみるものひとつの考え方でしょう。
そんな時は
会社員として働くよりフリーランスの方が圧倒的に稼げる可能性はありますが、会社員として働く選択肢があるうちはなるべく会社員(できれば事業会社)で働くのが良いでしょう。
その理由は下記です。
- チームメンバとの距離感
- 最新の情報が入ってくる
- 仕事へのモチベーション
個人的には30代くらいまでは会社員として働いて、技術面やスキルの構築、そのほかいろいろな人とのつながりを作るのがおすすめです。
フリーランスから会社員に戻ると決めた際に
自分に合った求人を探せるのか・・
自己分析やキャリアの棚卸しなどをしっかりできるのか・・
といった不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
そんな時は
また、
JACリクルートメントについて、評価や口コミなど詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。