

スキルアップをしたいけど何をしようかな・・
2022年に岸田政権が「新しい資本主義」を掲げて以来、巷では『リスキリング』というワードが飛び交いました。
特にIT業界では技術のアップデートが頻繁に行われるので、僕の周りでもリスキリングをしている人は多いです。
社会人になってからの学びには
- 自身の専門領域の知識やスキルのインプット
- 社会人大学院での修士号や博士号の取得
- ビジネススクールでのMBAの取得
- 資格取得のための勉強
- ビジネス系のインフルエンサーなどが主催しているオンラインサロン
など、そのほかにも多くの選択肢に溢れています。
この記事では僕が社会人大学院でMBAを取得した時の話をもとに、社会人大学院での学びについてご紹介します。
『リスキリング』の選択肢のひとつとして、ぜひ参考にしてください。



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個々で『リスキリング』をする人は増えている
『リスキリング』に取り組んでいるのは企業だけではありません。
出典:日経リサーチ「2023年 日経読者調査」
日経リサーチが2023年に日本経済新聞電子版の読者を対象に調査によると、個人で『リスキリング』に取り組んでいる人は全体の47%で半数近くです。
世代別に見てみると、20~30代は5割代と高く『リスキリング』に意欲的なことがわかります。
相対的に見ると50代で43%、60代で31%と若干低くはなりますが、個人的には高い水準だなと言う印象です。



思っている以上に『リスキリング』をする流れなんだな。。
僕はITエンジニアという仕事柄、技術や情報のアップデートが常に必要となるので
- 技術書
- 動画コンテンツ
- SNSやブログでの発信
- 勉強会などのLT登壇
などいろいろとやってきています。
今回は『リスキリング』の選択肢のひとつとして、みなさんに社会人大学院でMBA取得をご紹介します。



ITエンジニアがMBA?どうして??



一見すると結びつかないイメージですが、社会人大学院での学びは今の仕事に大いに活かされていますね。
リスキリングの選択肢として、スキルアップのインプット方法について解説しています。
ご興味のある方はこちらからご覧ください。
社会人大学院とはどんなところ?
社会人大学院とは、一定の期間会社勤めを経験した社会人が学ぶための設備や施設、大学(大学院)のことです。
所定の単位を取得して学位授与審査に合格をすると、課程博士もしくは修士の学位を得られます。
大学院と聞くと
学士課程を修了していない人は入学できないのではないか
と思う人もいるかと思います。
しかし、学士課程を修了していなくても通えるケースもあるので、気になる方は大学院に確認してみましょう。
社会人が通う場合、会計や法律など一般的にMBAや専門職課程の場合が多いです。
一例として、東京で働きながらでも通える(夜間や通信制のある)社会人大学院の具体的な例としては
などがあります。



他にもいろいろな社会人でも通える大学院の情報が出てきそうだね。
社会人大学院にはどのような人が集まるか
社会人大学院には年齢や職種、価値観などさまざまなバックボーンを持った人が集まります。
僕が通っていた大学院では20代後半から60代までの生徒がいて、いちばん多いのは40歳前後の人でした。
また、このようにさまざまな職種の人たちとともに机を並べて学んでいました。
- 某食品メーカー
- 某半導体メーカー
- 情報・通信サービス会社
- 情報・通信サービス会社の社長
- 外資系製薬会社
- 精密医療機器メーカー
- ITエンジニア
実際に通っていた社会人大学院について



僕が通っていた社会人大学院について少しお話しします。


ウリが通っていた社会人大学院とは
僕が30代前半に通っていたのは、金沢工業大学虎ノ門大学院(通称:KIT虎ノ門大学院)です。
交通のアクセスがよくて仕事帰りには通いやすく、講義や自習で遅くなっても帰りやすい立地にあることは魅力のひとつです。
また、教授陣に実務家が多く、少人数で講義やゼミを行っていることも興味を持った理由でした。
ウリが社会人大学院に入るきっかけ
学習する習慣はあったのですが、税理士試験や会計士試験、社労士試験など資格試験の勉強が大半でした。
しかし、難易度が高くなる資格試験に次第と興味が持てなくなり、次に何を学ぶかと悩んだ時期でした。
そんな時、友人がたまたま社会人大学院でMBAを取得していて、話を聞いて興味を持ち僕も挑戦してみようと思ったのがきっかけです。
当時は30代前半、事業会社の情報システム部門に所属していて忙しい毎日を送っていました。
社会人大学院への進学を決めたものの、当時は貯金はまったくなく全額学費ローンで補うことにしました。
・・今思えば、当時はかなり無茶をしたと思います。
何とか試験を突破して、この後2年間ほど社会人大学院に通います。
働きながら大学院へ通うメリット・デメリット
僕の考える社会人として働きながら大学院へ通うメリットは
- キャリアを中断しなくて良い
- 仕事に関連した研究ができる
- 新たな人脈やコミュニティが持てる
などです。
国内にある社会人大学院の多くでは、大変ではありますが多くの方が働きながら学ぶことができます。
仮に社会人大学院へ行くため仕事を辞めると、修士課程は2年間なので年収600万円で試算した場合
年収600万円×2年間=1,200万円
を自分から捨てることになります。
平日夜や土日に学べる社会人大学院は、経済的基盤を持ちたい人や昇進を目指す人にとっては大きなポイントです。



仕事や家庭との両立が大変と聞くけど、平日夜や土日に通えるところなら仕事を辞めずに済むので経済的にも助かる。
自分が携わるプロジェクトで上手くいかず、原因を考えたり上司に相談したりしても解決できないことのヒントを得られるのも、大学院という場所です。
講義や課題で得た知識を駆使することで、絡まった糸が解けるように課題が解決することがあります。
何より、自宅と会社の往復だけだったら一生出会えないような教授陣や仲間に出会えることがいちばんのメリットと言っても過言ではないでしょう。
僕が通っていた社会人大学院では毎週土曜日はゼミの時間があり、先生方とゼミのメンバーで研究テーマについて深く議論する時間を持つことができました。
さまざまなバックグラウンドを持った人たちと忖度なしに議論を交わしたことは、起業した今でも大きな財産です。



起業を決めた時に相談に乗ってくれたりアドバイスをくれたり、関連企業の仕事を紹介してくれた人もいました。
このようなメリットのある反面、デメリットも存在します。
僕の経験をもとにして大変だったこと中心にデメリットをまとめると
- 大学院の勉強と仕事の両立が大変
- 自由に使える時間がなくなる
- お金がかかってしまう
などです。
平日は18時くらいから講義が始まるので本業のタスク管理をしっかり行わないと講義を受けられなくなります。
講義では常に課題が出るので平日夜に課題に取り組むことになり、睡眠時間が削られることは避けられません。
土日もゼミに加えて講義などでほぼ一日埋まってしまうので自由に使える時間がかなり減ります。
独身だと付き合いは悪くなりますし、家庭がある場合はパートナーのサポートは必須になるでしょう。



社会人大学院で一番苦労したのは、奥さんに社会人大学院に通うことを納得してもらうための準備だと言ってた友人がいたな・・
そして僕が地味に苦労したのが、費用面です。
費用が抑えめだと言われる国公立の大学院に進学する場合でも、初年度には約80万円ほどかかります。
交通費や書籍代、授業や論文作成に必要なリサーチに必要な費用などを含めると、2年間でそれなりにまとまった金額となります。
当時の僕は教育ローンで賄うという荒技に出たのですが、日本学生機構や各大学の奨学金などのあるので気になる方は調べてみてください。



上記以外にも国から支給される教育訓練給付制度があり、最大で受講費用の70%(最大224万円)の支援が受けられます。
働きながら通える大学院を探すポイント
僕が、社会人大学院もしくはビジネススクールなどを探す際に確認した点は下記です。
- 大学院へ行く目的を明確にする
- 研究してみたい内容から探す
- 授業の実施日や場所から選ぶ
まずは、基本的なところですが大学院へ行って
- どうして大学院へ行きたいのか?
- 大学院以外の選択肢はないのか?大学院が良い理由は?
- 講座を受けたい授業や教授がいるのか?
- 自分は何を学び研究したいのか?
などをしっかりと自分の中で回答できるように準備しておきましょう。
大学院を志す理由は人によってさまざまです。
「自分の目標を達成するためには大学院に行く必要がある」と思えるまで進学の理由や目的を明確にしましょう。
次に、興味のある分野から探してみるのもおすすめです。
たとえ同じ研究科や専攻でも教授や研究室が違うだけでその研究内容も変わってくるため、研究したい分野をしっかり絞っておくことが大事です。
実質的なところでは、授業の実施日や大学院の場所から選ぶのもアリです。
仕事と両立させる場合、自分のライフスタイルに合わせられるところを選ぶのが重要です。
また、仕事帰りに寄りやすく土日でもアクセスしやすい便利な立地にあるかも重要なポイントとなるでしょう。



近くに行きたい大学院がない場合は、オンライン授業を実施している大学院を検討してみるもの一考です。
【コラム】日本国内のMBAを取っても意味はない?
「日本国内のMBAは評価されない」などという人も少なくありません。



Xとかでそんなことを言っていた人もいたな・・
しかし、国内MBAを取るための学習プログラムは、むしろローカライズされて学習しやすかったです。
どのような環境や立場で働くかで必要となるスキルや知識は異なるため、すべての人に向いているMBAはないです。
僕自身2年間インプット・アウトプットを繰り返すことは大変でしたが、習慣化することで苦なくできました。
必ずしもビジネスに直結するかは人によりますが、自身の引き出しが増えるのは間違いないでしょう。
あと、僕が通っていた大学院のMBAプログラムの場合は修士論文も必須だったため、さまざまな調査を行うなど貴重な経験もできました。



論文作成のために、神宮球場でお客さんにアンケートを回答してもらうため孤軍奮闘したのは良い思い出です。
また、講義は多くはワークショプ形式で進んでいくため、座学はほとんどなかったです。
ワークショップ形式の授業が多かったので、本業で疲れていても眠くならずに済みました。



大人になって、一生懸命になれるものってなかなかないよな。。
僕が社会人大学院でMBAを取得してよかったこと
僕が社会人大学院でMBAを取得してよかったことは
- ビジネスについて体系的に学べる
- 自発的に学ぶ習慣づけになった
- 会社員では得られない人脈
などがあります。
その中でも、最も大きいのは人脈でした。
僕が通ったMBAコースは比較的、中規模以上の企業のなかで経営層・管理職のポジションの人が多く、自身で独立している人も少なくありませんでした。
このような人たちと一緒に学んだり、情報交換を行ったりご飯を食べに行ったりできたのは本当に嬉しかったです。
ITエンジニアでMBAなどのビジネス側の学位を取得する人はそこまで多くはありません。
エンジニアリングとビジネス両方に精通している人材という観点でかなり評価され、僕はこれがきっかけで転職し大幅な年収アップ成功しました。
ITエンジニアは比較的、自分と同じ職種の人とのコミュニケーションが増えがちです。
社会人大学院でさまざまな環境の人と一緒に学べたことで、その後に生きる人脈も手にすることができました。
まとめ|強い意志と学習意欲があれば社会人大学院はおすすめ
社会人大学院には年齢や職種、さまざまなバックボーンを持ったいろんな人が集まり、その人たちと議論を交わしたりともに学んだりできます。
2年間仕事との両立や時間のやりくり、費用面など大変なこともありましたが、それ以上に得られた経験や習慣、人脈は、今後の僕の人生の糧です。
また、社会人として働きながら大学院で学ぶには、強い意志や目的設定は避けられません。
この2つを併せ持った上で費用面で不安があるなら、日本学生機構や各大学の奨学金、教育訓練給付制度もあるので気になる方は調べてみてください。



この記事を読んで、少しでも社会人大学院に興味を持ってくださる人がいれは嬉しいです。
スキルアップするにはどんな方法があるのか、気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
【GLOBIS 学び放題】

