退職後の転職活動は避けた方がいいの?
転職活動をする際は、一般的には会社を辞めずに仕事をしながら進めた方が良いと言われてます。
これはたとえば
安定した収入がなくなる
離職期間が長くなると転職活動に不利になる
などの理由からです。
たしかに、収入面が安定しないことによる弊害は少なくありません。
たとえ生活する上で十分な蓄えがあったとしても、先に退職してしまうと日々貯蓄が減っていくことにどうしてもストレスを受けるのは容易に想像できます。
また、転職活動がなかなか思うように進まないと待遇面などで強気な交渉ができなくなり、結果として良い転職活動を行うことは難しいでしょう。
この記事では、退職後に転職活動をすると実際にどのようになるのかについて、退職後と在職中、どちらの転職活動も経験した僕の体験を交えながら解説します。
今転職を検討している人は参考にしていただけると嬉しいです。
ただ、今いる会社がブラックで悩んでいる場合は例外です。まずは自分を守ることを第一に考えて行動してくださいね。
今いる会社がブラックで転職しようと悩んでいる方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
退職後に転職活動をしても不利とは言えないが
退職後に転職活動をするデメリットとしてよく言われる
離職期間が長くなると転職活動に不利になる
などの意見がありますが、本当に転職活動で不利に働いてしまうのでしょうか。
こちらは、2022年にリクルートが行った就業者の転職などに関する調査結果です。
あれ、、そうでもないかな?
全体では、前の勤務先を退職した後に現在の勤務先が決まった人は44.1%、現在の勤務先が決まってから前の勤務先を退職した人は38.5%という結果でした。
年代別に見ても、30代で在職中に転職活動をして勤務先を決めた人が41.7%と上回りますが、20代、40代〜50代では数%の差ですが退職後に転職活動をした人の方が多かったのです。
このように数値で見てみると、退職後の転職活動が不利になるとは一概には言えません。
しかし、同じ退職後でも離職期間が長くなればなるほど、転職活動に不利になる側面もあります。
離職期間が長くなると出てくるデメリット
退職後に転職活動をすることが不利になるとは言えないものの、離職期間が長くなればなるほどデメリットは発生してしまいます。
たとえば、離職期間が1年くらいの長期になってくると企業から
- 知識やスキルがアップデートできていないのでは?
- 働くことへの意欲はあるのか?
- (離職期間に)何をしていたのか?
- (転職が決まらない)何かがあるのでは?
などの懸念や疑問を持たれることは少なくありません。
ですので、離職期間が長期になってくる場合、離職した理由や離職期間に何をしていたのかをちゃんと説明ができないとマイナスの印象を持たれてしまいます。
採用側の気持ちになると、離職期間が長くてその理由を説明してもらえないと、この人大丈夫かなって不安にはなるかな。
そのほかにも
- 安定した収入がない
- 働くことへのモチベーションが下がる
- 健康保険や年金などの手続きも必要になる
などのデメリットも離職期間が長いと出てきがちです。
もちろん、退職後に転職活動をするメリットもあります。
- 心身ともにリフレッシュができる
- 転職活動に十分な時間を使える
- 面接日や入社日などの調整がしやすい
また、ブラック企業などにいる場合は、緊急避難的にまずはその場から離れて自分を守ることが最善な場合もあります。
今自分が退職すべきかどうなのか不安になった場合は、
また、自分から興味のある会社に応募したりスカウトを受けたりしてより多くの企業の情報収集をしたい場合は、
退職後に転職活動をするメリットとデメリットを見てきたところで、ひとつの事例として僕の体験をお話ししたいと思います。
退職後に転職活動するとどうなるのか
僕は退職後に無職の状態で転職活動をしたことが、今までに数回あります。
1回目:SIer(インフラエンジニア)を退職して半年ほど無職(資格試験に専念)、その後に別の職種に転職
2回目:事業会社(情報システム担当)に在職したまま転職活動を開始し、在職期間中に転職先が決まると思っていたものの結局決まらず、その後3か月後に転職先が決定
この時の詳細について、それぞれお話をさせていただきます。
ウリの実体験 〜退職後の転職活動〜
1回目についてはもともと退職後は税理士試験の受験勉強に専念していて、試験が終わってから本格的に転職活動をしようと考えていました。
試験勉強に専念とは言うものの、並行して転職活動もしていましたね。
しかし、受験自体は良い結果は出ずに、一旦は事業会社の経理職もしくは会計事務所で実務経験を積んでから再度来年に受験しようと考えました。
ところが、今までとは完全に別の職種での転職活動だったので、かなり苦戦をすることになります。
当時は別の職種に挑戦することになるので、年収が大幅に下がっても仕方がないとは考えていました。
ただ、それ以上に僕の想定を上回るかなり劣悪な環境に転職してしまうことになり、結果その職場は約8か月で退職することになりました。
ちなみに、約8か月で退職した会社での手取りは13万円で、毎週休日出社もあり大変な日々でしたね。
資格勉強でブランクがあることに加えて別業種への転職だとさらにハードルが上がるんだな。手取り13万円とは厳しい。。
あの時は少々無茶をしましたね。あまりに忙しくしんどかったので当時の記憶があまりないです。
2回目については在職中に転職活動を開始していて、転職活動開始後1か月くらいは比較的スムーズに書類選考が通っていました。
この後もスムーズに進むかなと安易に考えてしまい、転職活動の最中で退職しています。
しかし、その後の転職活動は予想に反して進まず、日々の選考で書類選考に一喜一憂する毎日でした。
たまに1次面接が通過するものの2次面接で不合格となるケースがほとんどで、最終面接で落ちた時にはひどく落ち込みました。
最終的に内定が出たのは退職から3か月後、もともと大した貯金もなかったので後半はかなり経済的にも精神的にも辛かったです。
転職活動のストレスから、不安でずっと昼過ぎや時には夕方まで部屋でゴロゴロして何もしない日々が続くというとても不健康な生活が続きました。
そっかぁ。はじめにトントン拍子で進んでいたからといって油断してはダメだんだな。それに収入面への不安は切実だな。
僕の経験上、収入面がここともとなくなるといろんな意味で余裕がなくなってきますね。
このような経験をしてきた僕の見解は、退職後の転職活動はあまりおすすめできないということです。
次では、その理由をについてもう少し詳しく解説していきます。
僕が退職後の転職活動をおすすめしない理由
僕の体験から導き出した答えとしては、退職してからの転職活動はあまりおすすめしません。
その理由の最たるものは、収入面の不安です。
この収入面の不安によって、心身ともにいろいろな面で次第に余裕がなくなってきます。
収入面の不安
心身ともにいろいろな面で余裕がなくなってくる
その結果、ストレスがどんどんたまる
焦りによる不健康な生活
焦りによる情緒の不安定
焦りによる妥協を強いられる転職活動
など収入面の不安によるダメージは思っている以上に大きいです。
それでも退職後に転職活動をする場合はどうすればいいの?
このようなデメリットがあったとしても
- 退職してゆっくりしてから考えようと思っている人
- やむを得ない理由で早く今の会社を辞めたい人
- 時間をかけて自分に合った会社に転職したい人
と考えている人もいるかと思います。
退職後の転職活動で注意したいポイント
そんな方に向けて、退職後に転職活動をする場合に注意したいおもなポイントについてまとめました。
- 数か月分生活防衛費を準備しておく
- 転職エージェントなどを活用する
- 長期の離職期間がある場合は説明できるようにする
まずは当面の生活費をカバーできるだけの生活防衛費を準備しておくことです。
この生活防衛費とは、遊興費などは含まずに最低限生活できるための費用のことで、家賃や水道光熱費、携帯の使用料や食費などを指します。
僕の経験からも、収入面の不安は焦りや情緒不安、不眠、やる気の低下などいろんな問題を引き起こすいちばんの原因だと言えるでしょう。
「貧すれば鈍する」ということわざからもわかるように、正常な判断をするには正常な精神が必要です。
その正常な精神を保つためにも、生活防衛費を確保して心に余裕がある状態で転職活動に臨みましょう。
次に、転職活動には自己分析や企業研究、履歴書や職務経歴書の作成などやることがたくさんあります。
特に、自己分析や職務経歴書の手直し、自分に合った企業を探すには、誰かの力を借りたり意見したりしてもらう必要があるので自分ひとりだけではできません。
そんな場合は、
僕も上記の転職エージェントに登録をして紹介してもらった結果、自分に合った良い会社に転職できました。
加えて、自分から興味のある会社に応募したりスカウトを受けたりしてより多くの企業と出会いたい場合は、
また、転職活動での具体的な対策として、離職期間が長い場合はその理由をちゃんと説明できるように準備をしておくことが大事です。
この時には、プライベートな事情の場合は伝えられることだけで問題ないので、嘘をつくことなく誠実に伝えるようにしましょう。
実際に転職活動が上手くいかずに長引いてしまった場合は、自分でその理由を分析した上で課題やそれに対する改善点などを合わせて伝えると良いですよ。
お金についても転職活動についてもまさに、備えれば憂いなしなんだな。
転職活動は在職中にするのがおすすめ
僕の経験を踏まえると、転職活動は退職後ではなく在職期間中に行うのがおすすめです。
その理由のおもなものをまとめると下記になります。
- 収入面の不安がない
- 離職期間なく次の仕事に就ける
- 現職に残る選択肢を残せる
- 面接時に話をしやすい
- モードを切り替えられる
今までお伝えしていないところでお話しすると、今すぐ辞めたいと思っているなら話が別ですが、今の会社に残るという選択肢が残っているのは大きいです。
「転職はリスクがあるけど、転職活動にはリスクがない」
というように、自分が選べる選択肢が多ければ多いほど心にも余裕も生まれます。
また、転職活動の話でいうと離職期間がない場合、自分の知識やスキルのアップデートができている状態なので面接の際に自己アピールしやすいのも魅力でしょう。
加えて、仕事をしながら限られた時間で転職活動をした方が、時間を持て余して考え込むことなくモードを切り替えて効率良く進められるのもポイントです。
時間があるが故に、良くも悪くもいろいろと考えてしまう。退職後の転職あるあるのひとつですね。
在職中の転職活動で注意してほしいパターンで、なかなか転職活動の時間が取れない人が退職の報告後に有休を消化して転職活動をしようとする人がいます。
この場合、どうしても時間に縛られて焦って転職活動をすることになるのであまりおすすめしません。
選考過程に合わせて半休というカタチしたり、休む理由を上手く作って有給を消化しながら仕事と並行して進めるのがおすすめです。
もちろん、在職中に転職活動をするデメリットもあるので合わせてお伝えをしておきます。
- 時間の制約がある
- 退職や入社の調整が必要
- 退職の時期が後ろ倒しになりがち
中でも、仕事をしながら転職活動を進めることでどんどん退職の時期が後ろに倒れることはよくあります。
ですので、今の会社を退職したいと思ったのならある程度時期を決めておくのも良いでしょう。
退職の時期は会社に言う必要はありません。自分の中での決め事として設定しておくことで中だるみすることなく進められますよ。
ITエンジニアならではの転職活動の裏ワザとは?
仕事をしながら転職活動を進めてるけどなかなか上手くいかない。。
転職先はまだ決まらないけど、今の会社にいるものそろそろしんどいな。。
そう思っている人も中にはいるのではないでしょうか。
そんな場合は、現職がきついなら退職してまずは心をととのえましょう。
え?あれだけ退職後の転職活動はおすすめしないと言ってたのに??
これは常に人手不足であるITエンジニアだからこそできる裏ワザなのですが、転職活動中に業務委託やバイトなどで短期で働いてみる がおすすめです。
離職中に失業給付を受けようとする場合、就業時間を調整する必要があるので注意してください。
失業保険をもらいながらの就業について知りたい方は、こちらを参考にしてください。
転職活動がしっかりとできる時間を確保した上で、残りの時間で一時的に働くようなイメージです。
こうすれば退職によって時間を持て余すこともなくなりますし、収入が少しでも入ってくれば心持ちもだいぶ変わってくるかと思います。
失業給付を申請しても自己都合の場合は2か月の待機期間があるからすぐには貰えない。悩んでいるよりは少しでも動いている方がラクかな。
収入面やメンタルに余裕がないと満足のいく転職活動は難しいです。
限られた時間の中で効率よく転職活動を進めるには、
また、自分から興味のある会社に応募したりスカウトを受けたりしてより多くの企業と出会いたい場合は、
まとめ|なるべく在職中に転職活動をするのがおすすめ
これまで退職後に転職活動をすることへの影響や僕自身の体験談、そこから退職後の転職活動をおすすめしない理由や在職中に転職活動をするメリットについて解説しました。
ブラックな企業にいて今すぐ離れなければならない場合は例外ですが、基本的にはなるべく在職中に転職活動をするのがおすすめです。
退職後に転職活動をすること自体が不利に働くことはないものの、離職期間が長期になると企業からマイナスイメージで見られてしまいます。
また退職して安定収入が入ってこない不安は、想像した以上にヘビーなものなので気をつけてください。
それでも今の職場を辞めたいと思った場合、一旦退職をして転職活動をしながらその合間に短期で働くパターンもあるのでぜひ試してみてください。
転職活動を効率よく行うために
加えて、興味のある会社に自ら応募したりスカウトを受けたりしてより多くの企業の情報を収集したい場合は、
転職するのが王道ではありますが、思い切って
転職もいいけどフリーランスになるものアリかな?と考えている方はこちらの記事を参考にしてください。