今の会社はエンジニア組織がないのでこの先のキャリア形成に不安が。。
給与や福利厚生に大きな不満はないけれど、技術的なスキルアップや先々のキャリア形成で不安になる・・
でももうすぐ40歳だし、冒険をして転職をする勇気がなかなか持てない・・
そういったモヤモヤを抱えて働いているITエンジニアは少なくないのではないでしょうか。
何を隠そう、僕がまさにそうでした!
ITエンジニアと言っても、その働き方はさまざまです。
僕はスタートアップ企業に勤める前、JTCと言われる伝統的な日本企業に在籍していたことがありました。
幸い人間関係で大きなストレスを抱えることはなかったのですが、技術的なスキルアップや先々のキャリア形成に不安で結局は転職を選びました。
- 会社の基盤は盤石
- 給与や福利厚生も手厚い
- ブランド力などのステータスがある
などのメリットがありますが、ITエンジニアとしてキャリア形成をしていく上ではいろいろと課題があります。
こちらの記事では、JTCでITエンジニアが働く現状やその課題を僕の実体験を交えて解説し、またその上で転職活動を進める上でのアドバイスもお伝えします。
現状にモヤっとしながらJTCに勤めるITエンジニアの人は、ぜひ参考にしてください。
モヤモヤ解消の第一歩は自分の市場価値を知ることです。
また、
JTCってどういった会社なの?
JTCの企業風土を解説する前に、まずはJTCについて簡単に概略をご紹介します。
JTCとは、【J】ジャパニーズ・【T】トラディショナル・【C】カンパニー
伝統的な日本企業、を意味する英語の頭文字まとめたもの
JTCとは、法的な定義はなくネットスラングから生まれたと言われています。
おもな特徴としましては
- 長い歴史がある
- 世界的な知名度やビジネス規模が大きい
- 安定した経営を続ける
などがあり、金融業界やIT・ソフトウェア業界、メーカーなどさまざまな分野で長年に渡って日本経済を牽引してきた会社も少なくありません。
その業界にいなくても名前は知っているという会社ばかりだよな。
ただその一方で
- 古い慣習が残る(トップダウン、年功序列、終身雇用など)
- 個人よりも集団を重んじる
のような傾向が根強く残っている会社もあり、硬直的な組織では失敗を回避する企業文化が生まれてイノベーションの阻害しているという意見もあります。
最近では、豊田自動織機で発覚した品質不正問題で浮き彫りになった古い企業体質が話題にもなりました。
一時期までは各業界のJTCに入れば一生安泰だ!という時代もありましたが、特にITエンジニアがJTCで働く場合はその組織について事前に把握しておくのが良いでしょう。
JTC企業におけるITエンジニアの働き方
ITエンジニアと一言でいっても、組織によってその働き方はさまざまです。
WebサービスやSaaSなどのプロダクトを開発している一般的に「IT企業」と呼ばれる会社の場合には、組織内にエンジニアのチームがあります。
また、そのようなチームは複数の部署やメンバーから成り立っているのが一般的です。
しかし、組織としてITに関するサービス業務をメインに行っていない会社の場合、多くの場合は上記のようなエンジニア組織がないケースが少なくありません。
JTCにはエンジニアが集まるようなチーム、いわゆるエンジニアリング組織がないことがほとんどです。
そのような組織の場合ですと、IT関連業務は社内の情報システム部門や総務部門が対応したり、内容によっては外部のSIerに外注して対応したりしています。
ただ、組織によっては情報システム内でも一般的なIT企業のエンジニアと同様に、開発案件などを対応していることもしばしばです。
上記のような業務をやっている人は実質的にはITエンジニアですね。
その状況下で開発をやるのは、、なかなか大変そうだな。
このような環境でITエンジニアとして仕事をしている人のキャリア形成は、どのように考えれが良いでしょか。
エンジニア組織のないJTCでのキャリア形成
エンジニア組織がない会社(おもにJTC)でITに関する業務を行う人材は、情報システム部門や戦略関連の部門、または総務部門に所属していることが多いです。
そのため、このような環境で働き続ける場合は、それぞれの部門での管理職を経由して本部長や役員を目指すのが一般的なキャリアアップの王道となります。
しかし、エンジニアリングに精通している人であればあるほど、上記のような王道ではなく純粋にエンジニアリングの能力を高めてのキャリアアップを望みます。
僕も当時は技術的なところをもっと極めていきたい、そこで評価されたいという想いがありました。
JTCでエンジニアリングのスキルを高められるか
技術的スキルを高めたいとは思っても、実際にJTCにいてそれは可能なのかと気になっている人は多いのではないでしょうか。
JTCの組織編成上、外部のSIerに外注することがどうしても多くなるので、エンジニアリングのスキルを実務で培っていくのは正直難しいでしょう。
ただ、自身で学び続けるとともに、日々アウトプットを繰り返すことによってエンジニアリングの能力は高めることができます。
今では実務以外でも自分のスキルをアウトプットして発信していく場がたくさんあります。詳しくはこちらをご確認ください。
その中でも、自分の学んだ技術やスキルをブログで発信していくことが特におすすめです。詳細はこちらの記事をご覧ください。
しかし、エンジニア組織がない環境でエンジニア業務を行う人について、エンジニアリングに関する業務は評価の対象にはならず、昇給しにくいのは言うまでもありません。
このあたりがJTCでITエンジニアとして働く最大の悩みなのかも・・
JTCでITエンジニアがキャリアアップするには転職すべき?
この質問に答える場合、どのような観点でキャリア形成を考えるかによって選択するものは変わってきます。
- エンジニアリング能力を高めてさまざまな課題解決ができる力を身につけたい
- そのスキルをもとに年収アップをしたい
などの場合は、JTCでは十分なスキルアップを目指すことは難しいため転職を検討した方が良いでしょう。
ただし
- 会社組織中で生き残って出世するために必要な能力を高めたい
- JTCのメリットを利用し尽くしたい
と割り切れて、なおかつ現状の業務内容は受け入れてあくまで組織に貢献し続けていくことを重視するのであれば、現状の組織で昇進していくのが良いでしょう。
求める答えは、その人の特性や目的とするところによって大分変わってきそうだな。
僕は技術的なスキルアップに加えて、そのスキルでもう少し年収を上げたい気持ちが強かったので転職を選びました。
僕は目的のために結果として転職を選びましたが、ITエンジニアがエンジニア組織がないJTCのような環境で働く際にはメリット・デメリットの双方があります。
JTCなどのエンジニア組織がない環境で働くメリット・デメリットの詳細についてもう少し見ていきましょう。
エンジニア組織がないJTCで働くメリット・デメリット
ITエンジニアが実務で技術的なスキルアップを求めるにはなかなか厳しい環境であることは先述のとおりですが、とはいえ、このような環境で働くメリットもあります。
たとえば
- 給与水準が高く福利厚生も充実している
- ブランド力などのステータスがある
- 会社基盤は盤石で安定している
などをイメージする人は多いでしょう。
うん。僕もJTCに持つイメージはこんな感じだな。
僕個人の経験で言うと、JTC内である程度のスキルがあれば組織内では頼られることが多く、評価対象にはならなくとも円滑に仕事を進めるには十分の信頼を得られます。
また、評価対象にならないため、あくまで楽しみとしてエンジニアリングに関わりたいのであればJTCのような環境での方が都合が良い可能性もあるでしょう。
加えて昨今のビジネス環境上、ITに関する知見を持っている人材はとても評価される傾向にあります。
所属している組織が成長する可能性が高い場合、そのまま昇進を重ねていくことが可能であれば部長、本部長クラスもしくは役員まで上り詰め、待遇もよくなる可能性も少なくありません。
当時の部署にはITに精通する人がいなかったので、自身の考えをもとに組織のIT戦略などを考えられたことはやりがいを感じましたね。
と言いながら、実際には転職をしているわけなので、このメリット以上に転職を選んだ理由があります。
今度はそちらについて見ていきましょう。
僕が転職を選んだ理由(JTCでエンジニアとして働くデメリット)
大きいところとしては、ITエンジニアとしてのキャリアアップができないことでした。
また、組織として将来性がなく、またITに対して前向きではない(評価対象ではない)場合、ビジネスでのキャリアアップも報われない可能性が高かったのも理由のひとつです。
歳を重ねるほどに転職の選択肢は若い時よりは減っていくので、中途半端なポジションで組織にい続けることは大きなリスクになりかねないと感じました。
組織で生きようと割り切ったのにビジネスでは報われない、気がついたらキャリアもなくもう動けない年齢、、これは是が非でも避けたいな。
そのあたりをまとめると、下記のような気持ちが理由になったと思います。
- 組織に将来的なポジションがない
- 割に合わない管理職の現実
- 40歳間近という時限的なタイミング
また、何よりモヤモヤしていたのは、ITエンジニアと名乗りながらエンジニア界隈で実績をアピールできないもどかしさが大きかった気がしています。
ウリの実体験 〜僕が転職を選んだ理由〜
僕が転職を考える大きなきっかけとなったのは、管理職への打診でした。
管理職になるための研修を受けながら、増える給与の額と新たな負担を天秤にかけたところ『これじゃ、割に合わないな』と言うのが本音でした。
また、将来的にITエンジニアが目指すべきポジションがその会社になかったことも大きかったです。
加えて、当時は技術的なところでスキルアップしたいと言うこだわりもあったので、対外的にアピールできることがないことにモヤっとしていました。
外部とつながりを持ったり学んだり発信したりして技術的な研鑽を積んではいたものの、エンジニア界隈で自分がコレだ!と言えるものがないもどかしさはありました。
ありがたいことに人間関係は悪くなかったので昇進する選択肢もあったのですが、そのスピード感と40歳間近と言う年齢を考えた時に
『動いて勝負するなら今しかない。これがラストチャンスだ!』
と判断して一足飛びに起業も考えたのですが、会社員としての選択肢も検討に入れたかったので、まずは転職することにしました。
40代前後は自分のキャリア形成を考える上でもターニングポイントな年齢だから、、わかりみが深いな。
あの時動かずにそのまま管理職になっていたらと思うと。。震えますね。
そう決めて実際に40歳でスタートアップに飛び込んだ訳ですが、その経験からいくつか留意した方がいい点があったので備忘録してまとめました。
ぜひ、転職を視野に入れた場合の参考にしていただけると嬉しいです。
JTCからの転職を選んだ際に注意したいこと
JTCの環境からエンジニアリング面で活躍できる会社に転職する場合、多くの場合は現職よりも職場の年齢層が若くなり、また職場の環境が変わることが想定されます。
この場合、仕事上でのコミュニケーションが大きく変わることを意味します。
若いうちの転職であればともかく、ある程度の年齢(40代前半)での転職となると、たとえ転職先が良い会社であってもかなり慣れるまで大変なので覚悟をしておきましょう。
転職先のスタートアップ企業は、メンバーも優秀かつ良い人が多かったのですが、若い人が多かったのではじめのうちは戸惑いましたね。
転職時の年収など条件について
JTCのような古い環境からエンジニアリングに力を入れられる会社に転職をした場合、現在では労働環境は大きく改善され、また年収面でもアップする可能性が高いです。
スタートアップ企業に転職後、以前よりも年収は上がり技術面でもスキルアップができる良い会社で働くことができました。
JTCで下手に管理職になるよりもある程度手を動かせる自覚があるのであれば、より良い会社に転職してよりエンジニアリングに力を入れられるような選択肢を取るのも良いでしょう。
なんか勇気が出てきたぞ。僕もこっそり転職活動を始めようかな。
転職活動をはじめる場合、在職中だと使える時間は決して多くはありません。
効率よく働きながら転職活動をするには、
また、自分で興味のある会社に応募したりスカウトを受けたりしてより多くの企業と出会いたい場合は、
また、40代のITエンジニアの転職では情報収集が大事になってきます。
特にJTCなどの企業に長く居た方は外部のITエンジニアとのつながりを持たない方が多いので、最新情報やトレンドには疎い人は少なくないでしょう。
40代のITエンジニアが転職活動でサービスや業界トレンドを把握するための方法を知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
どのような選択肢があるか
では転職先として具体的にはどのような会社を選べば良いのでしょうか。
たとえば
- 事業会社のエンジニア(いわゆる自社サービス開発会社)
- SIer/SES
- ITコンサルタント
あたりが一般的な選択肢となるでしょう。
ITエンジニアとして技術的な部分の理解を深めて新しい挑戦をしていきたいのであれば、事業会社でのエンジニア職を検討するのがおすすめです。
その際に気をつけたいのは、お給料はその会社のビジネスの成長に引っ張られるため、しっかりと会社選びをすることが重要になります。
転職の際の会社選びについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
SIer/SESについては事業会社から案件を受注してシステム開発などを行うイメージのため、さまざまはプロジェクトに関われます。
その反面、技術選定などは関われる要素が少なく、またクライアントワークということもあって能動的にエンジニアリングでの課題解決が難しいでしょう。
また、エンジニアリングの能力自体が評価されることは少なく、ある程度のポジション(マネージャー以上)にならないと給料はそこまで増えないのがネックです。
ITコンサルタントについては、もっとも給料が高い分野なのは有名でそのため周りに優秀な人も多いです。
しかし、SIer/SESと同様にクライアントワークであるため、エンジニアリングでの課題解決などを能動的に行っていくことは難しくなるでしょう。
それぞれの会社組織や業態、規模、会社のビジネスなどいろんな要素で会社選びをすることが重要だね。
自分にあった企業を限られた時間の中で探すには、
また、興味のある会社に自ら応募したりスカウトを受けたりしてより多くの企業の情報収集をしたい場合は、
転職にはリスクがありますが、転職活動はノーリスクです。
まずは自分の市場価値を確認するところからはじめてみてはいかがでしょうか。
まとめ|ITエンジニアとしてのキャリアアップなら転職一択!
これまで、JTCのようなエンジニア組織のない会社でITエンジニアが働く現状やそこで働くメリットやデメリットを僕が転職を選んだ理由を交えながら解説してきました。
ITエンジニアとしてのキャリアアップを目指したいのであれば、転職すべきです。
エンジニア組織がない環境でITエンジニア的な働き方をする場合、自由に技術選定などを行うことができるなどの楽しさはあリますが、新たな技術的な成長は見込めません。
まわりに優秀なITエンジニアがいて、組織としてもエンジニアとしてのキャリアアップを前向きにサポートしてくれる会社に転職するのが良いでしょう。
転職活動の第一歩は、自分自身の市場価値を知ることです。
加えて、
また、長くJTCにいる人は、外部のITエンジニアや同じ技術領域の人とつながることをあまりしません。
転職活動では業界の動向や最新のトレンドを理解する上でも、XなどのSNSを活用することは重要です。
ITエンジニアがXを活用するメリットについて詳細を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。