今後はどんなスキルを身に付けていこうかな・・
技術の進歩やトレンドがめまぐるしく変化するIT界隈の中で、このように考えているITエンジニアの人は結構多いのではないでしょうか。
実際にITエンジニアとして仕事をしている人でも、40歳前後あたりからマネジメントを意識したインプットも必要になってくる現状があります。
マネジメント職であるかどうかとは別として、この歳になるとそうした機会はどうしても増えてくるよな・・
この記事では、40歳を過ぎたITエンジニアが具体的にどのような知識やスキルがあると好ましいのか、僕の実体験を交えて解説します。
ぜひ、40代以降のキャリア形成の参考にしてみてください。
今後のキャリア形成を考える場合、実務に使えるような資格勉強をしよう!という人は多いと思いますが、特にITエンジニアの場合はあまりおすすめはしません。
その理由の詳細やほかに優先すべきことについて詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。
40代ITエンジニアはどういったスキルを身に付けたいのか?
まずは現場で働いている40代ITエンジニアの人たちが、どのようなスキルを学びたいと思っているのかを見ていきましょう。
ギークリー
上記の調査によると、40代ITエンジニアの意識として
- IT業界のトレンド技術:19%
- マーケティングの知識:15%
- プロジェクトマネジメント:13%
の順番でスキルアップしたいと考えているとわかりました。
30代までとの違いでいうと、技術的なトレンドの把握と合わせてマーケティングやマネジメントスキルを学ぼうとしていることが見て取れます。
これは40代に入り中堅になってくると、実際に手を動かすことよりもプロジェクトの要件定義や全体の管理を任される機会が増えることがその要因のひとつです。
特に組織の中にいると自分では手を動かさなくなるので、意識的に技術トレンドを取りに行かないと取り残される危機感はあります。
今まで技術面のスキルアップはやってきたけど、マーケティングやマネジメントに関してはさっぱりだったので焦って専門書を買ったな。
このことから、現場で働いている40代ITエンジニアは
技術スキルに加えて、マーケティングやマネジメントスキルなども学びたい・・
またそれが求められていると感じいていることがわかります。
ビジネスで必要とされる基本的な知識
先ほどのグラフでもわかるように、多くのITエンジニアはどうしても技術的なインプットが優先されがちです。
しかし、40代以降になると組織内でのマネジメントや会社の経営サイドのポジション、または自身で事業を起こして経営者として動いていくことが増えます。
これらを想定すると、40代ITエンジニアは必要となる知識を優先的に学んでいくのが良いでしょう。
では、どのような知識やスキルを身に付けていけばいいのでしょうか。
やることが多くて、どこから手をつけていこうかなわからない・・
大丈夫です!僕が実際に身につけた内容をご紹介しますので、興味があるものからぜひ始めてみてくださいね。
次からは、僕が実際に身につけた知識やスキルにについて詳細を解説していきます。
簿記/会計の知識
まずはビジネスパーソンの定番として、簿記/会計の知識を勉強するのがおすすめです。
会社組織が事業上の取引をもとに会計帳簿を作成し、貸借対照表や損益計算書などと言った財務諸表を作成するための知識を学ぶことができます。
昔から企業の経理担当者などには必須知識だったのですが、学ぶことで組織におけるさまざまな取引やお金の流れを理解しやすくなります。
また、昨今では多くの人が株式投資などの投資を行うようになり、さまざまな組織の財務状況などを分析する上で簿記、会計の知識の重要性が今後ますます高まるでしょう。
ホリエモンやひろゆき、両学長のようなビジネスで成功したインフルエンサーも、事あるごとに簿記を学ぶことの重要性に触れているしなぁ。
簿記/会計の知識を勉強するメリット
ITエンジニアが簿記/会計の勉強をするメリットはたくさんあるのですが、僕が感じるのは下記のような点です。
- コストへの意識が高くなる
- ビジネス一般への知識が上がる
- 転職市場含めて価値が上がる
- コミュニケーションの幅が広がる
僕が意外だったのは、技術的なことではない簿記や会計の知識でも転職市場ではプラスに評価されたことです。
また、簿記や会計の知識があることで経営層とのコミュニケーションがスムーズになったことも驚きでした。
たしかに、いちITエンジニアだと自分の作業領域ばかりで、お金のことまで理解できる人は少ないからアドバンテージになるかも・・
どのレベルまで学習すればいいの?
では、どのくらいのレベルまで学習していけばいいのでしょうか。
以前は日商簿記検定の2級くらいまで取っておくと良いと言われていましたが、最近では3級レベルの知識があれば十分であると言われています。
また、独立した時などに最初のうちは個人で経理をする必要があるので、簿記の知識があれば最低限の帳簿づけと個人での確定申告くらいはできる状態になりますよ。
簿記の考え方はちょっとクセがあるので、基本的な内容はYouTubeや通信講座などを使い2〜3か月で集中的に学習するのが良いでしょう。
僕のおすすめは
- 【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆきさんの動画
- web通信スクールのクレアール
などで、まずは無料で学習できるふくしまさんのYouTubeやクレアールの動画教材とテキストを使って基礎的な知識を詰め込みます。
基礎が理解できたら、数年分の過去問をひたすら解いていくのが良いでしょう。
簿記や会計の知識はあって損するものではないし、将来独立する時のことを考えて、ふくしまさんの動画から見ていこうかな?
プロジェクトマネジメントの基礎知識
これはITエンジニアだけではないですが、40代になってくるとマネジメント職でなくてもプレーイングマネージャー的な動き方が求められるようになります。
おそらく読者のみなさんの中でも、多くの人が何らかのカタチでプロジェクトマネジメントに触れている人も少なくないのではないでしょうか。
改めてプロジェクトマネジメントとは何か、日々の業務の中でどのようなことを意識すべきかを改めて整理してみると良いでしょう。
分かってはいるんだけど、マネジメントの勉強ってどこから始めればいいのかな?専門書を読むとか??
どうやって学習していけばいいのか?
具体的には、PMBOKについて学ぶのが体系的にプロジェクトマネジメントを押さえられるのでおすすめです。
ただPMBOKをイチから見るのはとても大変なので、PMBOKの概要を押さえている薄めの本を一度簡単に読んでから、必要な部分に集中的に押さえていくのが良いでしょう。
プロジェクトマネジメント関連の資格も存在しますが、多くの場合で資格取得をしていること自体が評価されることはあまりありません。
実際のプロジェクト運営の実務の中で学ぶことの方が多いため、資格取得にこだわる必要はないでしょう。
今さら聞けない人もいると思いますので、PMBOKについてカンタンに概略を説明させていただきますね。
PMBOK(ピンボック)とは「Project Management Body Knowledge」の略で、プロジェクトマネジメントに関する手法やノウハウを体系的にまとめた参考書です。
内容は4年に1回のペースで更新されており、最新のPMBOKガイドが第7版(2021年)となります。
プロジェクトを5つのプロセス、10の知識エリア、3つのパートに分類されており、プロジェクトマネジメントの考え方や心構えをまとめたものです。
- 5つのプロセス
立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結
- 10の知識エリア
統合管理、コスト管理、調達管理、リスク管理、スコープ管理、資源管理、
コミュニケーション管理、スケジュール管理、品質管理、ステークホルダー管理
- 3つのパート
入力、ツールと技法、出力
プロジェクトマネジメントを勉強するメリット
プロジェクトマネジメントを勉強をするメリットもたくさんあるのですが、おもな内容は下記です。
- 給与水準が大幅にアップする
- 物事を多面的に捉えられる
- コミュニケーションスキルが向上する
- スケジュール管理能力が鍛えられる
まずはわかりやすいところで、給与水準が大幅にアップすることです。
少し古いデータになりますが、平成29年に経済産業省の調査によると職種別の年収平均として
- エンジニア・プログラマー:年収592.2万円
- プロジェクトマネージャー:年収891.5万円
となり、約300万円ほど平均年収が多いことがわかります。
俯瞰的にプロジェクトを管理する立場となるので、各方面への準備や調整なども増えますし責任も増えるので当然の結果ではあるでしょう。
また各部署との準備や調整を行う上でコミュニケーションは避けられません。
普段の業務の中で自ずとコミュニケーション能力やスケジュール管理能力が鍛えられるのは容易に想像できる気がします。
年収はアップするけれど、同時にタスクや責任も大きくなるので自分の立ち位置や今後のキャリアを考えるきっかけになりそうな・・
今後のキャリアで悩んだときは、ひとりで考えるよりも
転職を今考えていなくても、市場における自分の価値を知ることはとても大事です。
MBA(経営学修士)などのビジネスに関する学位
ITエンジニアでは珍しいですが、MBA(経営学修士)などの学位を取るという方法でスキルアップするパターンもあります。
MBA(経営学修士)を取得する方法はいくつかあるのですが、日中働きながらとなると社会人大学院に通うのが王道になるでしょう。
ITエンジニアの僕が社会人大学院に通ってMBA(経営学修士)を取得しキャリアアップした話についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
ビジネスを体系的に学ぶという点でもオススメですが、それ以上にモチベーションの高い仲間がたくさんできる点でかなり大きなポイントです。
40代も半ばになると公私でなかなか自分の時間が取れなくなるので、社会人大学院は、35歳から45歳くらいに通うのがおすすめです。
ブログやSNS、YouTubeなどによる情報発信
ITエンジニアが情報発信を習慣化することは、日頃から組織内での情報発信だけでなく転職や独立後でのビジネスに活用できることがとても多いです。
また、会社員の場合は自身のアウトプットの習慣化により、エンジニア界隈への貢献だけでなくアフィリエイトでの広告収入など、副業収入を手に入れることができます。
ITエンジニアが技術ブログを発信することのメリットなど詳細を知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
また、XなどのSNSを活用したインプット・アウトプットについて詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご確認ください。
ブログやSNS、YouTubeによる情報発信は40代では遅い、間に合わないということはありません。
いつから始めても遅くはありませんので、今からでも積極的に情報発信をしていくことをオススメします。
ブログをいきなり書くのは僕にはハードルが高いので、まずはXを使って自分の技術領域のことについて書き込んでみようかな・・
独立してから使えるスキルを押さえておこう!
今までお伝えしてきた知識やスキルは、次の転職に活かせるのはもちろん独立する上でとても重要な知識であることは間違いないです。
お伝えしたようなスキルをコツコツと積んで、実際キャリアアップできた僕がいうので信憑性は高いですよ。
40代はもっとも独立に向いている年代であるため、おそらくフリーランスや起業を意識している人は多いのではないでしょうか。
しかし、独立するとエンジニアリングなどの技術以外の知識や経験も求められるようになります。
早いうちにこの記事で紹介したようなインプットをしておくと、キャリア形成においても役立つでしょう。
定期的な職務経歴書の更新のススメ
将来のキャリア形成のためのスキルアップと並行して、おすすめしたいのが定期的な職務経歴書の更新です。
そして、その際に職務経歴書はNotionで作成して公開するのが良いでしょう。
具体的な更新頻度ですが、たとえば
- 1年に一度、2年に一度と決めてしまう
- 自分のキャリアに変化があった時
- 何かを記録したい時に書き込む習慣付け
など、何らかのルール付けをしておくと忘れにくいのでオススメです。
職務経歴書って転職の時だけのものなんじゃないの?
このように思う人もいるかとは思いますが、職務経歴書を定期的に更新してNotionで公開すると
- 自分の市場価値を知ることができる
- 企業からのスカウトや案件の打診がある
- 自身の備忘録としても使える
などのメリットがもれなく享受できます。
webで公開しているから閲覧しやすいし、ブログやXのリンクを付ければかなり自分という商品をアピールできそうだな。
職務経歴書をNotionで作成して公開するメリットやその詳細について知りたい方はこちらのページをチェックしてくださいね。
まとめ|必要なスキルを選んで取得し職務経歴書を更新しよう!
これまで、40代ITエンジニアが身に付けるべき知識やスキルについて、僕の経験も交えながらその詳細を解説してきました。
40代になると技術的なスキル以外でも簿記や会計、マーケティング、マネジメントなどさまざまなものが求められるようになります。
自分の将来のキャリア形成も見据えて、自分にとって何を優先させるべきなのかを考えてどのスキルを学ぶのに時間を使うのか考える必要があります。
それを考える時に、ひとりで答えを出すことが難しいことも少なくありません。
そんなときは
転職エージェントへの相談は、転職する時にしか使えないものではありません。
自分の市場価値を知るために活用するのは悪いことではありませんし、登録自体は無料でできるので気になるからはこちらの記事を参考にしてみてください。
また、それに関連して自分の職務経歴書を定期的に更新することは、自分を顧みたり自分をアピールする場として活用したりできるなどメリットがたくさんあります。
職務経歴書をNotionで作成して公開するメリットについて詳しく知りたい方はこちらのページをチェックしてくださいね。